棚田の総延長は、地球を半周するほどと言われている世界最大規模の棚田が広がるその風景は、「天国への階段」と言われている。2000年も前に、イフガオ族によって作られた。1995年にユネスコの世界遺産に登録された際は、日本の棚田保護政策のきっかけになったともいわれている。
フィリピンの首都マニラから、直行バスで一晩で起点の町バナウェに到着する。
到着するや否や、客引きが来て宿を斡旋してくる。何軒か回ってから決めるつもりだったが、最初に入ったところが悪くなかったのでそこに決めた。
町中には、博物館がひとつあるだけでとくにこれといったみどころはない。
ここから4kmほど行ったところにビューポイントがあり、トライシクル(バイクの横に人用の荷台をつけたフィリピン流バイクタクシー)に乗ると約20分の距離だが、時間もあったので歩いていくことにした。思ったより登りがきつく、トライシクルで行けばよかったと思ったがそのかわり途中、いろいろな角度からの写真を撮ることができた。
ビューポイントは4~5か所あり、上にいけばいくほどいい眺めになる。雨が降ってきたので、夕日を諦めて下山を始めた。20分ほど下ったときに雨が止んだので、どうしようか迷ったが疲れた体に鞭を打ち、再び登った。綺麗な夕日は見れなかったが、一瞬だけ陽の当たった瞬間を見ることができたので、戻ってきた甲斐があったと思う。
翌日早朝に、今度はトライシクルに乗って再び展望台に登った。実はここ、バナウェービューポイントはとても有名な展望台だが、世界遺産登録地域外となっている。世界遺産の棚田を見るには、15km以上移動しなければならずトライシクルで行くことに。
まずはバンガアンライステラスを道路沿いから撮影し、その後バタッド村に行った。(共に世界遺産)
ジャンクションと呼ばれる交差点でトライシクルを降り、そこからは延々と2時間以上の時間をかけて山を上り下りする。そして、さらに森の中を歩きようやくたどり着いた。
最初に見つけた宿にチェックインし、世界遺産の棚田を見て回った。思ったよりも広く、斜面が続くのでかなりの体力を消耗するが、日本の原風景を彷彿とさせるのんびりとした雰囲気に癒された。滝などもありかなり見応えがある。
翌朝は早起きして、真っ暗の中を歩いて日の出を撮影した。広角レンズを使ったが、それでも全体が収まりきらないほどの棚田が広がっている。
帰りは運よく、一日1本しかないというジプニー(乗合いバン)に乗ることができた。
一時期は継承者不足により、危機遺産にも登録されたが保護政策により2012年には解除されている。
世界遺産情報
Rice Terraces of the Philippine Cordilleras
登録区分 文化遺産
登録基準 3,4,5
登録年 1995年
アクセス
空港はなくバスが唯一の手段。フィリピンの首都マニラからの直行夜行バス、もしくはルソン島北部の町バギオまで行きそこからバスで向かう方法がある。バナウェから各棚田へは、トライシクルで向かうのが一般的。チャータ料金はあらかじめ決められているが、交渉も可能。バナウェビューポイントは登りになるが徒歩1時間程度でいくこともできる。バタッド村には一日1往復するジプニーもある。(バナウェ発は午後、バタッド発は午前)
撮影のポイント
バナウェビューポイントは標高が高いほど見晴しがよくなるが個人的にはトップから2番目の展望台が眺望のバランスがよくおすすめ。夕日は順光、朝日は逆光となる。バタッド村にはソーラー発電の電源しかなく万が一のことを考えてカメラのバッテリーは予備を持っていくのがいい。またバタッド村には道しるべや地図などがほぼ皆無なので最初は現地のガイドを雇うのが無難。村に着くとたくさん声をかけられることだろう。